てしまのまどの今年度の活動の一つ、島内に伝承される盆踊り(主に唄)に関する聞き取りを、5月に引き続き、この7月も行いました。
かつては島内の各地域ごとに盆踊りがあり、それぞれの地域に数名ずつ盆踊りの唄(音頭)を唄われる方(音頭取り)があったそうです。かつての盆踊りの様子を、今回は家浦浜、唐櫃浜・岡とうかがって歩きました。
中でも既に引退された93歳の元音頭取りの方は、かつて太鼓を借りれなかった時分には一斗缶を太鼓代わりに叩いて盆踊りの音頭をとったこともあった…と述懐され、また、個人はもとより時代や世代によっても少しずつ音頭の取り口が違ったものだ、とお話し下さいました。
前回、昭和50年代後半から60年代前半までの、盆踊り会場で収録した録音が見つかり、今も現役の方の若い声はもちろん、既に引退された方や、鬼籍に入られた方の唄声を聞く機会に恵まれました。
今回も新たに数本のカセットテープが見つかり、既に貴重となったかつての盆踊りの唄声にと出あうことができました。
今後も引き続き、盆踊りの音頭の歌詞を書きつけた台本や、こうしたかつての唄声を今に伝えるテープなどの資料の追跡を、聞き取りと合わせて行っていきたいと思っております。
8月13日の夏祭り(家浦)、そして14日の唐櫃浜、唐櫃岡それぞれでの盆踊りと、80代の現役音頭取りはもとより、さらに若い世代の音頭取りとの共演、そして太鼓、踊りの三位一体!この夏の豊島の盆踊りがとても楽しみです。